2015年7月19日日曜日

乳がんです。と言われたら:番外編の続き

前に、「乳がんです。と言われたら」というタイトルで、治療を受けながら、告知の受け方、情報の集め方、病院の選び方、治療費の考え方みたいなものを、自分の経た道筋を辿りながら書いてみました。

その後、ちょこっと番外編として、個人的に妊娠/出産に関してと、検診の妥当性みたいなものについて加えていました。すでにホルモン療法はスタートしており、その治療がどういうものなのかはわかっていましたが、自分にどんな影響を与えるものなのかを深く考えていたということはありませんでした。仕事にも戻って、前と同じように働いていた時期です。

早いもので、乳がんと告知されてから約2年半たったというのもあり、今一度、ホルモン療法の折り返し地点として(本当はまだ3年近く残っているのですが)、思うことを書いてみようかと。

「私」にもフォーカスを

乳がんと診断され、初期治療を始めた当時は、病気そのものに対してフォーカスを当てて考えていました。乳がんとはどういう病気なのか、どんな治療が行われるのかといった、病気になったのは私で、私に対して行われる行為でもあるのですが、乳がんの治療やそのものについて、自分で調べたり、考えたりしていたのです。

その理由として、前にもちょっと書きましたが「乳がんになっても私は何も変わらない」と思いたかったというのがあります。病気とは自分なりに向き合うことで、乗り越えられるとみなしていました。妊娠が難しくなるといったことに関してはもちろんショックでしたし、自分の発病した微妙な年齢についても書きましたが、今行っている治療が自分に何を及ぼすことになるのかということについては、きちんと考えていませんでした。

治療として行っていることの副作用に関して、自覚がなかったわけではありません。ただ、前にも書いたことがありますが、人間というのは、初めて体験することに思った以上に鈍感だったりするものなのです。いわゆる更年期症状と呼ばれるものが自分にも起こっていることはわかっていましたが、なかなか「私」に起こっているということが、症状が出ているにも関わらず受け入れられませんでした。「いわゆる更年期症状があるけど、まあ、私はなんとかやり過ごせる」「たぶん私の症状なんてたいしたことないし、みんなこんな風だろうし」なぜかそんな風にまるで他人事のように思っていたのです。

もちろん、治療の副作用は人それぞれで、まったく出ない人というのもいらっしゃると思います。私の場合は、ホルモン療法しか受けていないので、同じ乳がんの方であっても、状況がまったく違う方もいらっしゃるとも思います。副作用があっても、私が願っていたようにやり過ごすことができる人だっているだろうし、生活や仕事に影響がないように専門家の診断をうけたり、何かしらの方法をすでに取っている人もいるでしょう。そして、おそらく大多数はそういう方たちだろうとも思います。

でも、私はそうじゃなかった。
私は、自分の心と体をあまりにも適当にあしらってしまった。
そのしっぺ返しを今、受けているような気分です。

今となって個人的に思うのは、病だけでなく「私」に何が起きているのかをもっと深刻に捉えるべきだったんじゃないかと。不眠からはじまった症状は「なんとかやり過ごせる」範疇を越えてしまいましたし、そもそもやり過ごすべきものであったり、乗り越えるべきものでもなかったのではなかったと今は思っています。結果として、もはや、何のストレスが「適応障害」の原因となったのか、よくわからなくなっているというのが現状です。

乳がんです。と言われたら、手術や放射線治療などの初期治療には集中するものかもしれません。なので、つい最近乳がんと診断された方には今はわからないことかもしれませんが、長く治療を続けるということがどういうことなのかがわかった、今だからこそ言えること。

乳がんは、大したことがない病気ではありませんし、「がん」です。
だから、もちろん治療を続けていくことは大切です。
ただ、その治療や病そのものが、自分の体や心に思ってもみなかった影響を与えることがあるのだということも、頭の隅に置いておいてほしいのです。

そして、もし、治療を続けるに従って、今までの生活や仕事とは何か違うなって思うようになったり、うまくできないことがあったり、辛いなと感じたりしたら、できるだけ早めに専門家にご相談されることをおすすめします。彼らは、この道のプロフェッショナルなのですから(あたりまえですが!)。

2015年7月14日火曜日

我是日本人(私は日本人です)

中国語(だけじゃないけど、外国語全般)の発音が日本人にとって、難しい理由の1つに、日本語にはない音があることが挙げられる。その中でも最も難しいものではないかと思うのが「日本人」の「日」。これは誰もが経験することであるとも思う。

具体的には拼音では
ri
注音では

の音なんだけど、舌を後ろに引きながら内側にカーブさせる感じで、下の歯は前に出すみたいな、謎の口の動き。

英語のrの舌の動きともまたちょっと違う。rは別の音(erまたはㄦ)で同じような音が中国語にもある。英語の場合、私のrはそんなにキレイに発音できてないとは思うものの、通じないということはない。どうやら英語には型というか話し方があって、それができるようになると多少発音が変でもかなりの割合で通じるので、ある程度推測してもらっているのだろうとも思っている。

しかし、台湾では、どこから来たの?日本人?って聞かれて「日本です」「日本人です」と言っても、「はぁ?」という顔をされるのだ。それぐらいに、発音がなっていないのはわかっているのだが、これがなかなか。あと、声調というイントネーションがあって、これがズレると、まったく通じない。

日本人なのに、日本の発音がなってないというのは、悪い冗談のような気がしてくる。今日も夜な夜な日本人の練習中。



あとですね、台湾にはアスパラガスのジュースというのがあるんですが、これが激マズで。友達が試してみればと買ってくれたのですが、青臭いというか、なんというか、なんで、アスパラガスがジュースになっているのかが謎です。あ、ちなみに、こちらでは、トマトはフルーツ扱いされることが多いです。

現場からは、以上です。


2015年7月11日土曜日

PREDICTというツール

今年のザンクトガレンコンセンサスの内容を読んでいると、予後予測ツールとして、Oncotype DXなどの他に、これまで見かけなかったツール名(というのだろうか?)的なものをいくつか見かけた。

そのうちの1つがPREDICTと呼ばれるもので、いったいどんなツールなんだろう?と検索をしてみるとちょっと興味深い記事を発見。

乳がんの「その後」を予測するツール「プレディクト(PREDICT)」、予測の正確性は?

この記事の元になっている論文のabstractは、PubMedから読めます。

PREDICTとはイギリスのNHSのサイトで公開されているツールで、ここから実際に使える。

上から年齢、診断状態、腫瘍のサイズ、腫瘍のグレード、リンパ節への転移、ER状態、HER2状態、KI67状態、化学療法の有無とその世代を入力または選択して"Predict Survival"ボタンを押すと、テキストとグラフで5年後、10年後の生存率が表示されるようになっている。

補助療法を行わなかった場合のグラフがデフォルトの生存率で、プラスして、選択した補助療法が生存率をどれだけ上乗せできるのかがわかる。

入力する内容はそれほどないのと、見ればわかる内容だと思うものの、1点だけちょっと謎なのがKi67の選択肢。NegativeとPositiveから選ぶようになっているが、通常、Ki67ってパーセンテージで表現されていることが多いのではないかと。これは説明を読むと、10%以上をPositiveとするようで。

また、chemo(化学療法)のSecondとThirdとは、Secondがアンスラサイクリン系の抗がん剤(第二世代らしい)、Thirdがタキサン系の抗がん剤(第三世代らしい)を意味するよう。

しかし、PREDICTの説明ページを読むと、なるほど、2013年のザンクトガレンコンセンサスで指摘されていたイギリスのNHSでカバーされるようになった多重遺伝子ツールっていうのはOncotype DXなのではないかと。「NICEが最近推奨しているOncotype DX」的な説明が入っているので、そうなんじゃないかなーと。だったら、うらやましいな。

2015年7月5日日曜日

ㄅㄆㄇㄈ

タイトルはいったい何のことやら、だと思いますが、これは台湾で使われるひらがなのようなものです。

中国語を学ばれたことがある人はわかると思うのですが、普通発音は拼音(ピンイン)と呼ばれる、アルファベット的なものを使うのですが(中国では必ずそうみたいですね)、台湾ではこの記号みたいなもの(注音符號と言い、読みは「ヅウインフウハオ」みたいな感じ)で発音を表現します。とはいうものの、台湾で外国人が中国語を勉強する場合は、発音は大体ピンインを使って授業をすることが多いです。ただし、この国の国民である台湾人が通う学校では、通常、注音で発音を学びます(小学校とかです〜)。台湾人の友達はほとんどピンインが分からないので、発音を聞くと大抵ㄅㄆㄇㄈで書いてくれるんですが、読めなかったんですよ、これまでは!

今回はせっかくなので、先生にお願いをして、注音をイチから始めてみることにしました(とか言いつつ、ピンインでの発音も自分は怪しいのですが)。実際やってみると、こちらのほうが発音もわかりやすいですし、それに沿って発音がきれいになるという利点もあります。が、このあいうえおみたいな記号をなかなか覚えられない…まったく歳を感じます(苦笑)。


壁に貼って必死に覚えてるんですがー!

ちなみに、タイトルはボォポォモォフォみたいな感じの読みで(これも日本語で書くのがすごい難かしいのですが)、意味はありません。あいうえお、みたいな感じ。

あ、この週末は、日本乳癌学会総会だったのでは!すっかり忘れてました。なんか、ちらっとみたら、患者向けのセミナーしかなくて、市民向けの公開講座はないんですね。その代わり、RUN&WARKっつーのも、なんだかなー。まぁ、ターゲット絞りが難しそうですからね。どなたか行かれた方、なにか興味深いトピックがありましたら、ぜひ教えてくださいませーとまた、他力本願な…。

ザンクトガレンの続きは、まだ、気になることがあるので、折を見て。

この週末は、自転車で5分位の所にある、美術館へ。草間彌生展がやってるんですが、すごい人!でした。日本の現代アート、本当に人気なんですよね〜。

現場からは、以上です。